発泡が始まってから最低15か月間
瓶内澱熟成
暗いカーヴの中で、シャンパーニュの新たなアロマが生まれる
瓶詰めされ、発泡が始まったシャンパーニュは、暗く静かなカーヴの中で長い熟成期間に入ります。 リー(酵母の澱)と共に行う熟成です。 リー(酵母の澱)は、ボトル内で増殖し、働き終わった酵母です。
泡が生まれた後、酵母は少しずつ死滅し、澱となって、さらに自己分解がはじまります。 自己分解によって澱が壊れて分子を放出し、これがワインの分子と相互に作用し、ゆっくりと変化していきます。 自己分解と同時に、ごく微量の酸素がボトルに入り込み、同時に少量の炭酸ガスが漏れます。 この現象によって、ワインのゆっくりとした酸化が進み、ワインの特性も変化します。
リー(酵母の澱)と共に行う熟成は、このように、酵母の自己分解とゆっくりとした酸化という二つの作用が結びついて独特のスタイルを形作りながら、第三のアロマと呼ばれる成熟と円熟のアロマを引き出していくのです。 この段階においてカーヴが果たす役割は重要です。 熟成に最適な条件は、暗いこと、そして温度が常に約12℃に保たれていることです。
規定により、シャンパーニュはカーヴで最低15か月間熟成させなければなりません。 ミレジメ(ヴィンテージ・シャンパーニュ)の場合は最低3年とされています。 シャンパーニュの法定熟成期間は、他の発泡性ワインよりも長いのですが、実際には規定よりも長く、ミレジメ以外のワインで2~3年、ミレジメでは4年から10年熟成させることがほとんどです。
徐々に広がるアロマの可能性
徐々に広がるアロマの可能性