シャンパーニュボトル
さまざまなシーンにふさわしい
さまざまなサイズのボトル
シャンパーニュボトルにはさまざまなサイズがあります。 二人だけでのお祝いから盛大なイベントまで、各シーンに合った大きさが揃っています。 「ドゥミ」はピクニックにちょうどよい持ち運びやすい大きさです。 「レギュラーサイズ」は友人を招待しての食事やクリスマスに最適。 「マグナム」は、お祝いのプレゼントや特別なイベントに。
シャンパーニュ地方では、さらに大きなボトルも使われますが、特別なイベントに限って登場します。
ボトルの容量もワインの熟成の進み方に影響を及ぼします。例えば、マグナムはレギュラーサイズよりもゆっくりで、熟成のポテンシャルが高くなります。
「マグナムサイズは二人の紳士にちょうどよいサイズである。といっても一人が飲まなければの話だが。」
大きなボトルは、重さもかなりのものです。 例えば、「サロモン」は高さ85cm、底の直径23cmの大きさで、レギュラーサイズボトル24本分、つまり容量18リットルに相当し、重さは43㎏です。 「プリマ」は高さ100cm、直径26cm、レギュラーサイズボトル36本分(27リットル)で、重さ65㎏…。とても一人では運べません。
伝説的で、なおかつ機能的なオブジェ
シャンパーニュボトルはワインを入れておくだけの容器ではありません。
かつては、ワインを樽の中で発酵させていました。 しかし、寒さのせいで発酵が短い期間しか続かないことが多く、 春に再び発酵が始まると、炭酸ガスのせいでワインが「泡立ち」、樽からあふれるほどでした。 こうしてできたワインは多少なりとも発泡していました。
17世紀末、シャンパーニュ地方の人々は、ワインの保存性を高め、輸送に耐えるようにするために、瓶詰めをするようになります。 明らかに発泡が増し、グラスの中にまで泡が表現されるようになりました。これはすぐに大評判を呼びました。
ジェロボアム、マチュザレム、ナビュコドノゾール…。聞いたことのある名前ですが、その由来をご存知でしょうか? そのほとんどは聖書からとったものです。 19世紀にシャンパーニュ地方の商人たちがこのように名前を付けていたのが決まりとなり、 やがて他の地方にも広がりました。 残念ながら、なぜそのような名前が付けられたのかは伝わっていません。 この習慣について説明できる歴史家はおらず、今でもシャンパーニュの歴史における謎の一つです。
ジェロボアムは二人のイスラエル王の名前で、うち一人はイスラエル国を建国した人物として知られています。
マチュザレムは旧約聖書の創世記に登場する長老の名前で、969歳まで生きたとされています。 マチュザレムは、洪水を生き延びたとされるノアの祖先です。ワインボトルにその名前が付けられたのは、人類初のブドウ園にブドウの木を植樹した人物であるためです。
サルマナザールの名を持つ人物は5人いますが、全てアッシリアの君主とされています。 中でも有名なのは、サルマナザール3世(紀元前858年‐824年)です。アラム族の君主に勝利することはできなかったものの、偉大な建造者として知られています。
バルタザールの名の由来には諸説があります。 最も有力なのは、キリスト生誕のときに会いに来た東方三博士のひとりであるという説です。 しかしそれは正確ではありません。聖書の中に登場する東方三博士には名前がないからです。 東方三博士に名前が付与されたのは、聖書が刊行されてから数世紀が過ぎ、キリスト教文化が一般に普及した頃です。 一方、バルタザールの名前は、実際に聖書に登場しています。紀元前539年、ペルシア国のキュロス王が連日催した晩餐会の最中に殺されたとされる、バビロニア王国最後の王がバルタザールです。 今でも、豪華な食事のことを表わす「バルタザールの晩餐会」という言い回しが残っています。
ナビュコドノゾールは、紀元前605年から562年の間カルデアを治めた「偉大なる王」、ナビュコドノゾール2世(英語読みはネブカドネザル2世)に由来しています。 ネブカドネザル2世のお蔭でバビロニアは西欧の中心都市となりました。エルサレムの住人をバビロンに連行(バビロン捕囚)した人物としても有名です。 1842年、ヴェルディはこの人物を題材にしたオペラ「ナブッコ」(イタリア語でネブカドネザルを指す)を書き上げています。
- - シャンパーニュの原産地名称(大きな文字で表示)
- - 糖分含有量またはドザージュ(ブリュット、ドゥミ・セック、セックなど)
- - 商品名
- - アルコール度(%vol.=容量パーセンテージ)
- - 容量(リットル、センチリットル、ミリリットル)
- - 醸造者名または醸造会社名、その本社所在地であるコミューン(市町村)名と「FRANCE」の文字(さらにワインが本社以外で醸造された場合には、その醸造場所のコミューン名)
- - 醸造者の職業上のカテゴリーを示すイニシャルで始まるCIVC交付の登録番号(RMはレコルタン・マニピュラン、NMはネゴシアン・マニピュラン、CMはコーペラティヴ・ド・マニピュラシオン、RCはレコルタン・コーぺラトゥール、SRはソシエテ・ド・レコルタン、MAはマルク・ダシュトゥール=プライベート・ブランド)
- - ロット識別番号(ボトルに直接記載しても良い)
- - アレルギーの原因となる成分の記載(無水亜硫酸、亜硫酸塩や二酸化硫黄など)
- - 安全のための記載:「妊娠中のアルコールの飲料の摂取は、たとえ少量であっても、子どもの健康に重大な影響をもたらすことがあります」という記述、または妊婦の飲酒禁止のロゴマーク (この記載は一部の国でのみ義務付けられている)
- - 必要に応じて、ヴィンテージ(収穫年)またはキュヴェの特性(ブラン・ド・ブラン、ロゼ、ブラン・ド・ノワールなど)
- ブドウの品種、デゴルジュマンの日付、感覚的特性、ワインと相性の良い料理などに関する情報
NM : ネゴシアン・マニピュラン。 自身の所有するブドウ畑(もし所有者である場合)のほかに、ブドウやムー(果汁)、または原酒を購入し、自身の工場での醸造に使用している個人または法人を指します。
RM : レコルタン・マニピュラン。. 自身のブドウ収穫のみで作られた原酒を使って醸造を行っています。
RC : レコルタン・コーペラトゥール。. 自身の収穫したブドウを協同組合に納入し、協同組合からムー(果汁)や、醸造中の原酒を仕入れて醸造したり、完成したワインを仕入れて販売します。
CM : コーペラティヴ・ド・マニピュラシオン。. 協同組合員より仕入れたブドウを使って、自身の醸造所でワイン醸造を行います。
ND : ネゴシアン・ディストリビュトゥール。. 製造済みのボトル入りワインを購入し、自分でラベルを貼ります。
MA : マルク・ダシュトゥール(プライベートブランド)。. ネゴシアン、レコルタン、またはコーペラティヴ(協同組合会員)で、顧客のプライベートブランドのワインを販売する醸造者です。
シャンパーニュの文化
シャンパーニュボトルなくして、シャンパーニュなし!
ボトルはとても重要な道具。 何世紀にもわたって築き上げられた有名なシャンパーニュ方式による醸造工程に不可欠なものです。 圧搾で得られた果汁をタンクに移し、その後ティラージュ(瓶内二次発酵のための瓶詰め)を行います。ここでスティルワインが発泡ワインに変わります。 こうして泡が誕生します。 ボトルはワインがシャンパーニュに生まれ変わるための重要な鍵を握っているのです。
シャンパーニュの醸造
シャンパーニュボトルなくして、シャンパーニュなし!
ボトルはとても重要な道具。 何世紀にもわたって築き上げられた有名なシャンパーニュ方式による醸造工程に不可欠なものです。 圧搾で得られた果汁をタンクに移し、その後ティラージュ(瓶内二次発酵のための瓶詰め)を行います。ここでスティルワインが発泡ワインに変わります。 こうして泡が誕生します。 ボトルはワインがシャンパーニュに生まれ変わるための重要な鍵を握っているのです。
シャンパーニュの醸造
とはいえ、18世紀の頃はまだ発泡 の管理がうまくできていませんでした。ボトルが破損し、大損害が出ることも多く、人々から「悪魔のワイン」とも呼ばれたそうです。 研究を続けるうちに、瓶内の圧力が高すぎることが破損の原因であることが分かってきました。 そこで、この強い圧力に耐えられる肉厚のガラスボトルを開発することが必要です。 今日、シャンパーニュのボトルは20バール、つまりシャンパーニュ自体の3倍の圧力に耐えることができます。
打栓の技術も、時代と共に進化しました。最初の頃は、木の留め鋲で栓をしていましたが、やがてコルク栓が使われるようになり、発泡のためのガスやワインの漏れを防げるようになりました。
シャンパーニュボトルの物語はまだ続きます。 環境負荷、特にボトルの輸送による影響を抑えるために、シャンパーニュの品質を損なうことなく、またボトルの破損リスクを高めることなく、ボトルの軽量化を追求しました。
900gのボトルから835gのボトルへの切り替えにより、ガラス製造時のCO2排出量が11,200トン減少し、輸送時のCO2排出量が5,800トン減少し、合計で17,000トンのCO2が削減されます。これは、6,300台の車の自動車フリートに相当したり、1,700人のフランス人の年間排出量に相当します。
継続的進歩に向けた業界全体の確固たる意志を反映する取り組みです。