8月中旬から

収穫

Vendanges en Champagne

ブドウ畑からワインまで

夏も終わりに近づくと、収獲の季節がやって来ます。 シャンパーニュ地方全体にとってきわめて重要なこの時期。2、3週間の間、ブドウ園は活気にあふれます。 多くの人々が集まる、歓喜に満ちたブドウ栽培の最高潮のとき。 そして何よりも、正確さと厳密さが要求される、一年間の仕事を締めくくる作業です。 多くの作業者が、細心の注意を払いながら、成熟した房を一つひとつ手摘みしていきます。 およそ12万人が収獲にあたります。1ヘクタールあたり4人です。 ブドウの摘み取り、籠の運搬、ケースへの詰め込み、トラックへの積載、フォークリフト運転など、それぞれ役割が決まっており、 すべてがうまく連携して、収穫を無事に終えることができるのです。

同時に、シャンパーニュ造りにおける重要な転機でもあります。こうして収穫されたブドウがシャンパーニュへと生まれ変わる、長い旅がここから始まるからです。 ですから、偶然は一切許されません。 まず、収穫開始日の決定。 これは毎年異なり、 酸度と成熟度のバランスがちょうど良くなるタイミングによって決まります。 最良の収穫日を決定するために、シャンパーニュ地方では、「成熟」を意味するMATU(マチュ)ネットワークを設置し、有志のブドウ栽培者が600の基準区画でのブドウの監視を行っています。

シャンパーニュ地方では収穫もすべて手作業です。 一部に黒ブドウを使用するシャンパーニュで、色を白く仕上げるためには、ブドウを傷つけないように丁寧に摘んで、できるだけ早く圧搾所に運ばなければなりません。 ブドウの皮に含まれる黒い色素が浸出しないようにするためです。

また、収穫量も厳しく制限されており、シャンパーニュ委員会I.N.A.O(国立原産地名称品質統制局)によって、毎年規定収量が決められます。但し、欧州連合が定める最大収量を越えることはできません。 量より質を優先させることが目的です。

このように、収穫はシャンパーニュ地方にとってすべてが決まる一年の最高潮のとき。素晴らしいキュヴェへの期待を込めて、人々は完璧な作業に励むのです。

 丁寧に手摘み  丁寧に手摘み